高校非常勤講師を卒業

これまで勤務しておりました、
県立松陽高校・美術科ヴィジュアルデザイン非常勤講師の職を
今年度いっぱいで辞することなりました。


これまで丸14年、週2回のアルバイト教員とはいえ、
い返すと多くの生徒たちとの触れあいがあり、感無量の思いです。

初めの頃は、鹿児島を代表する錚々たる講師陣の皆様に加えていただき、
前年までただの百姓だった私なんぞでいい
のか?と思いながら、恐縮する事ばかり。
そして高校生にデザインをどう教えていいのかわからずに、戸惑いばかりの日々でした。

なので初めの2〜3年は、
「自分の事務所に入って来たアルバイトにデザインを教える」
というスタンスで授業を開始(笑)

なので、かなり厳しい授業を行い、きつい叱責なども常に行っていたため、
無用に生徒から反感を買ったりして、生
徒はもちろんのことながら、
私自身もかなり苦しかった思
いをしていたことも思い出されます。

ヴィジュアルデザインの講義と謳いつつ、
パソコンも、映
像設備も何もない環境の中で、実践的なデザインワークの実習は叶わず、
非常勤教員は、校外への見学・引率もでき
ず、多くの制約があったため、
色彩と形態を扱う基本理論
と実習が基本となり「デザイン造形基礎」という内容となりました。

色彩構成と立体構成の演習から始まり、
応用としてのポス
ターや店舗設計などの実習へつなげていくカリキュラムを構成、
10年以上かけて、生徒の反応を見ながら年間の講
義の形を作っていきました。

振り返れば、自分が約40年前に叩き込まれた、
故竹中保
先生が主宰する総合美術研究所による体系的な色彩とデッサン、立体の理解が、
無意識のうちに自身の教育プログラ
ムの土台を作っていたことを今更ながら驚いています。
三つ子の魂百までということでしょうか。

それに、わずかな自身のデザイン業での経験を加味しつつ課題を作っていきました。
40年前に大切だったことは、今も、そして40年後も普遍であり変わらないとは今でも思っています。

竹中先生が常におっしゃっていた、
「基本を習得すれば、受験対策など不要であり、傾向と対策など必要ない。」
というスタンスも継承していましたが、
昨今の芸大美大の受験スタイルの多様化と変化に伴い、
験対応の強化と図るという目的で若い後進に後を譲るということが最適だということになりました。

同僚の講師の先生方やこれまでご縁のあった先生など、
本来であればお一人お一人に直接ご挨拶すべきところ、
誠に失礼ながらここでまとめてご挨拶させていただきます
ありがとうございました。

個人的には、多すぎた肩書きの一つが消え、少しすっきりとした感覚でいます。

今後とも、やるべきこと、やりたいことを、マイペースで取り組んでまいります。

高校非常勤講師を卒業_f0091634_20241391.jpg
よろしくお願いいたします。

by sketchfarm | 2020-03-21 20:25 | ひとりごと | Comments(0)
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