なんで野菜を作るのか、、、。
こないだまでは、大阪のデザイン事務所の小さな庭に、アルバイトのスタッフが
花を植えたいって言ったので、野菜も作ってね、、。そんな依頼をした、というところまででしたね、、。
それが1997年・平成9年の頃でした。
スタッフが、小さな花壇に何かのお花(覚えてない)と、ナス、トマト、キューリなどの果菜類の苗を植えてくれて、
休日や朝などは、水撒きやお手入れは私の役目となったのですが、、、
野菜の世話など初めてでしたので、植えたり、肥料などはスタッフが全部やってくれて、
私は、毎朝起きて(事務所兼自宅でした)玄関を出てすぐの所の花壇の様子を見るのが日課となりました。
初夏の頃だったんですね、、
思ったより早くぐんぐん伸びるトマトの勢いや、早くも小さな実をつけるナスにかなり驚きました。
朝、起きて、野菜たちの姿を見るのが楽しみになって行きました。
やり始めて、野菜の世話って、そんなにすることないって事にも気づきました。
水撒きは、雨が降れば必要なかったし、、雑草もそんなに生えなかったし、
家庭菜園レベルでは、手を入れる事もほとんどありませんでした(知識も技術もなかった)。
それでも、野菜たちはどんどん元気に実をつけて、大きくなってくれたナスやトマト。
それらがとてもみずみずしく、美しく水滴をつけて輝いていました。
なんて美しいんだろう。完璧だ。
その時私は、ハッとしてしまいました。
これまで自分は、いろんなモノを作り出してきた。
お店のデザインであったり、印刷物、絵画、博物館、展示会のブース、広告、カンバン、、、、
いずれも役に立ったり、喜んでもらえたりするもののあったが、
真実、この世界、環境、人類の幸福に必要なものであったのか、、
自分の作り出すものは、この世に必要なのか?
わからなくなっていたのも確かな事だった。なので、、、
ものづくりに置いて、こんな完璧で、美しく、しかも食べられて、人間の命の糧になる。
そんな最高な創造、クリエイティブな仕事はないんではないか?
そんな思いにかられてしまったのでした。
つづく