ひとりごと・絵画の価値と個展を開く理由について

私は絵描きを恐れながら自認しているので、私のやることといえば、
絵を描いて人に見せ、それを販売することも仕事の一つです。
なのでできるだけ、個展などをして多くの方に見ていただく機会を設けています。
(まだまだ努力とエネルギーが足りません)

一般に「芸術家」「アーティスト」と呼ばれる方々は、自身の作品に対する説明が
非常に上手であり、またそれができないとダメとされています。
自分が「作品」を制作する意味や、意義からまず考え、戦略を練ります。
例えば、人類2000年の歴史の中に存在する「美術」の歴史を知り、
その上で、今の社会にどういう「作品」を投入することが意義のあることなのか、
そうした考えのもと制作された作品でないと、評価の対象にならない。
そう考える人もいます。

なので、多くの「芸術家」「アーティスト」と呼ばれる方々は、
これまでの美術史の中で無かった表現や、
他の「芸術家」がまだ手付かずの技法を捜し求めたり、
とにかく人を驚かせたり、笑わせたり、逆にとてつもなく下品な表現をしたりして、
顧客となりうる欧米の知的富裕層に向けてひとときの刺激と話題を提供できるような作品を制作したり、
とにかくしつこくしつこく同じことをやり続け、
多くの人が覚えてくれるまでやり続けて評価を求めたりします。

また自分の作品を、あたかも非常に価値あるように思わせるために、
錬金術師のように、わざとわかりにくい難解な言葉を駆使する人がいたり、
あえて他者を混乱させ、ケムに巻くような言葉を使って、その作品に不思議な印象を与え、
興味を持たせようとする「芸術家」もいます。

私は自分の作品を、自分の作品の価値以上に見せようとする説明は苦手です。
なので、「これはどこどこで描いてきました。」
「この絵は何時間かかりました。」
「この絵の画材はこれこれです。」
「ここはとても綺麗なところでした。」

その程度の説明をするしかありませんし、
それ以上の説明の必要を感じません。
あとは見ていただいて、観る人が、何を感じ、どう思うかか任せるしかありませんし、
それを言葉や文章で、誘導したりすることはできないのです。

絵画など、食べれませんし、絵は絵でしかありません。
お部屋の飾り以上の価値があるでしょうか?
1点の絵画が、何十億もするなんて、全く認めることはできません。
もしそんな作品があれば、それを直ちに換金して、多くの飢えている人、
難病で苦しむ人を救うことに、そのお金を使うべきと考えます。
人類の美術の歴史を冒涜し、否定するするつもりはありませんが、
過剰なブランディングは狂信というべきです。

私は8年にわたる農業の経験から、漁業や農業、医術といった生命に直轄する職業は
やはり偉大であり、いくら素晴らしい絵画や彫刻作品であっても、
飢える人を救うことができないということを実感しました。

なので、今の私ができうるせめてもの出来る事といえば、
今、自分の置かれた状況で、自分に出来る事、得意なことで、社会の役に立つことをしたい。
それが私にとっては、未熟ながら絵を描くことであったりします。
飢える人を救えませんが、美しく、楽しい絵は、
悩む人の心を、ちょっとだけ和ませることは出来るかもしれません。

なので、美しいと思った対象を見つめ、今の私のできうる技法で、
出来るだけ美しく、出来るだけ自分らしく描き、
そして多くの方に見てもらって、その感動を共有できたら嬉しいし、
心地よい、楽しい気分になってもらえればと思って描いています。

更にいえばその作品をお金を払ってでも持って帰りたい、買いたいといってくださる方がいれば
それが最高の評価だと考えています。
そしてその代金で生活ができるのであれば、最高の幸せだという状況です。
まだまだそんな状況を作り出せてはいないのですが、
与えられた人生、今出来ることをやっていくしかありません。

多くのことをやり残して亡くなった友、
事故や病気で倒れ、やりたいことができなくなっている友人、
いろんな事情で、夢を諦めざるを得なくなった人、、
そういう人たちの分も、今、出来ることがあれば、出来るだけ
出来ることをやっていくことが、与えられた使命だと思ってやっていこうと
思っています。

人間のここ5000年くらいの世界は、変革、発展の歴史だったといえますが、
その前の数万年は、旧石器時代や縄文時代など、
ほとんど変化しなかった歴史がありました。
父親たちがやってきたことを、自分も行い、子供にもさせる。
変化しないことが幸せだった時代。

今、ゴッホやゴーギャン、シニャックやマチス、ピカソなど、
百数十年前の画家たちと同じ所へ旅して、
同じような風景を見て、同じ風や光を感じ同じように感動して、
同じような技法で絵を描いている自分を
過大に正当化する訳ではありませんが、特段悪いことでもないと思っています。

長くなりましたね、、、




f0091634_18184081.jpg
画像は、「カシスの港」F8 木製パネルに油彩




by sketchfarm | 2018-07-23 19:24 | ひとりごと | Comments(0)
<< サン・レミ・ド・プロヴァンスの... 空港での個展が始まりました。 >>