崎津の思い

天草の崎津教会を描き始めてほぼ5年になる。

近年、世界遺産の候補になって、にわかに賑やかになってきたが、
どうあっても、この美しい入江に屹立するゴシックの尖塔は異彩を放ち、美しい。

なぜ美しいのか?はここの歴史にある。

1566年の布教以降、1613年の禁教令から260有余年。
この地の人々は、ずっと自分たちの熱い思いをその胸に抱きながら、
1873年に許されるまでの長きにわたって、耐え忍んできた。

その筆舌に尽くしがたい歴史と、想像を絶する人々の思いが、
その光景に重みを与えている。

自分の熱い思いを深く伏せ、それでも日々を過ごしてきた人々の
希望の形がこの塔になって現れている。


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「塔のある港」2017 浜地克徳 100号F キャンバスにアクリル


by sketchfarm | 2017-07-22 21:34 | ひとりごと | Comments(0)
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