第56回定例会

1月15日、天文館商店街界隈で今年初めてのスケッチ会を開催しました。
17名の参加があり、少し寒かったですが、初スケッチを楽しみました。

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着色済みの作品をご紹介します。

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下京さん
樹木の表現が素晴らしいです。
桜の木だそうです。

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濱田さん
ラーメン屋さんの風情がよく出ています。人物をうまく使っています。

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冨吉さん
レストランの入り口の味わいある雰囲気を、接近してクローズアップしているので強いです。

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蔵元さん
洋食屋さんの異国情緒を軽やかな線で表現できています。
線に味わいがあります。

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田中さん
前回の平之町のスケッチ。柿を主軸に後方に広がる空の表現が冬の情景をうまく表しています。

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橋口さん
犬を連れた参拝客がいたから描きました。と簡単に言ってましたが、
簡単にそんなことはできません。さすがです。日頃の鍛錬の賜物。

他、線画状態でもいい作品がたくさんありました。
今年も、ぼちぼちスケッチを楽しんで行きましょう。

次回の場所がなかなか思いつきません。
ご提案をお待ちしています。



# by sketchfarm | 2022-01-19 11:03 | スケッチの会 | Comments(0)

永沢先生のこと

永沢先生が亡くなったと連絡があったのは1月9日のこと。


初めてお会いしたのは2005年、農業をやめて無職になって、
これからどうやって生きていこう、と考え始めた頃、無性にスケッチが描きたくなって、
これまで描いたことのない具象的なものや風景など描き始めました。
そんなとき永沢先生の「自分発見スケッチ術」という本に出会いました。

一目でそのタッチに惚れ込み、本の中で生徒さんをとっていることがわかり、
すぐに生徒さんのお一人を頼って東京に会いに行きました。
気さくで優しく、私の置かれた境遇や悩みを聞いてくださり、
「すぐに絵の教室を開きなさい。」
と言ってくださったのには嬉しくも驚きでした。

その後、本当に筆マメな先生は、遠方の私の活動に気を止めてくださり、
何通も分厚い手紙を送ってくださいました。
鹿児島にも来てくださり、一緒にスケッチをしたことも印象深いです。

その後、私はいわゆる「永沢風」にならない様に、
先生のタッチとはあえて違う表現を求めて行き、
反抗的な「悪い」弟子になって行きました。
それも面白いと言って、笑ってくださっていたのもよく覚えています。
先生の主張する「線」すら無くした線の無いスケッチなどもよく描いていたので、
どう思っていらっしゃったのか、、

初めてお会いした時には70才前だったので、いつもお元気で「老い」という
現象から先生だけは抜け出しているのでは?と思うくらい、
先生は死なない様な気がしていましたが、、、

まだ気持ちが定まっていません。
本当に絵を描くこと、生徒を指導することに常に全力で取り組んでおられたお姿に
敬服するばかりです。








# by sketchfarm | 2022-01-18 16:44 | ひとりごと | Comments(0)

マルヤガーデンズにギャラリーを

蒲生茶廊zenzaiの2号店をマルヤガーデンズ7階に
出店させていただくことになりました。
12月17日オープンです。

カフェでは蒲生の店の良いところを受け継ぎながら、
マルヤガーデンズ限定の最新ランチやスイーツをご提供します。

「マージナルギャラリー」というギャラリーを併設し
画廊のイメージをくつがえす、開かれた風通しの良いギャラリーの新しいあり方を目指します。
観る人の立場によりそう、楽しく心おどる上質なコンテンツを提供していきます。

第一回企画展は片山みやび展です。
色鮮やかな造形美は、観る人の心を踊らせてくれます。


昨年、コロナが発生したことがキッカケで、危機意識の中、スタッフ全員で生き残りをかけて、様々なことにチャレンジした結果が、このような形につながったこと。

本当に感謝ですし私の仕事としても、これまで
母校・京都市立芸術大学で学んだこと、デザイン、抽象絵画、有機農業、ODKというデザインボランティア活動、スケッチ、具象絵画、町おこしNPOなど様々な、関西〜鹿児島での、右往左往してきた人生の一つの結実がこの新しいカフェ&ギャラリーの運営という形になったと実感しています。

蒲生の店もこれまで通りzenzaiという店のシンボルとして、
やっていきます。

今後ともかわらぬご贔屓をお願いいたします。

zenzai公式ウェブサイト

https://kagoshimazenzai.com

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# by sketchfarm | 2021-12-02 06:04 | NEWS! | Comments(0)

明日はスケッチ会です

こんばんは。

明日11月20日、スケッチ会定例会です。

よろしくお願い致します。

平田公園 平田靱負像前に10時集合です。

15時に再集合し、講評会を行います。





# by sketchfarm | 2021-11-19 21:30 | スケッチの会 | Comments(0)

村山久光先生のこと

姶良市在住で私が尊敬する村山久光先生のことはこれまで何回か書きました。

小磯良平などの画風を感じさせる正当派の洋画家であり、
その生涯を一筋に絵を描くこと、自身の絵を高めることにのみに努めた画家です。

永く新聞配達や絵画教室などのお仕事で生計を立てておられたが、
近年はすべての「お金」のための仕事は放逸されて、

「僕はもう絵を描く以外のことはしたくないんだ。」

と、おそらくわずかな年金を糧に、毎日スケッチに出かけ、食費はスーパーの
閉店時を狙い、安くなる食材を得ておられるような生活をされていた。

私が勝手に鹿児島のアントニオ・ロペスと呼んでいるように、
村山先生は愛すべき鹿児島の田舎の風景の中から、明るい日差しと陰影、
トタン屋根や看板、道路標識など
緑の中に潜む人間の生活感が漂うビビットな色彩のかけらを好んで採集され、
スケッチも膨大な数を残されながら、油彩でもあくまで現場で描くことにこだわられた。

そして驚くべきことに、その季節、その日時にしか見ることのできない陰影を得るために
小さな作品であっても、描き進めるにつれ、
その影の見え方が変わってしまったら、もう筆を置いて、来年の同じ時期まで待つ。
そのような1枚の絵を何年も何年もかけて完成させる手法は、
根気などの域を超えて、絵にかける執念がなければできないやり方だった。

「浜地くんは手が速くていいね。僕は絵が遅いから、、。」

と言って軽く笑い飛ばされてはいたが、
額の裏のフレームに書かれた、何年にもわたる日付のメモを見るにつけ、
背筋が凍るような思いをしたものだった。

その先生が、最近、体調の悪化を理由に自ら老人ホームに入られて、
自宅アトリエも近く処分され、油絵の筆を置かれるという。

そして周囲の画家などに、形見分けのようにキャンバスや筆、絵の具などの画材を配り始めた。
私のところにも何度となく描きかけのキャンバスや多くの筆、絵の具や美術書籍などを
投げ込むように置いていかれ、

「キャンバスは上から描き潰せばいいから。」

と、無造作に何十枚も捨て置かれて帰られていく。
見ると完成作品もあったり、とてもじゃないけれど、上から描き込めるようなものじゃない。

先日は自宅アトリエに呼ばれ、残る無数の作品を、持って言ってくれ、と言われ、

「捨ててもいいし、何に使ってもいいから。
できたら蒲生の風景は蒲生の施設なんかに展示してくれたら嬉しいけど。」

とおっしゃられた。

私はとても戸惑い、なんとかならないものか、
こんな素晴らしい作品群が、日の目を見ることなく、処分されていいのか。
義憤に燃える気持ちになったが、

今、自分が抱えている仕事で精一杯の現状、
自分に財力、体力、気力などが圧倒的に不足していることなどが悔しくてならなかった。
20年前だったら、クラウドファインディングでも、行政に訴えてでも、仲間を募ってでも、
どうにか保存展示の道を探ったであろうに、、。

最近は自宅までおいでいただいて、油彩の指導を何度もしてくださっていた村山先生。
私の絵をいつも

「面白い、浜地くんの線はいい線だねえ。」

と褒めてくださる先生は、私のおそらく最後の師匠であるし、
先生にとっても私は最後の弟子なんだと、勝手に自負しているところです。

2年前、ギャラリー白樺で僭越にも2人展をさせていただいた時にわかった奇跡の事件。

それは、私が描いた蒲生町の自宅近くのなんでもない風景の絵を、
先生は、全く同じ場所から同じ方向で、なんと30年前に描いておられたこと。
こんなことってあるのか?と本当に驚いた。

なぜなら、普通の人なら、おそらく誰も興味を持つことはないだろう、
平凡で特徴のない場所であったから。
こんなところを描いている自分自身に呆れるようなポイントだったので、

同じところに「美」を感じて描かれた先生の価値観と、
私の価値観が符合したことに、驚きと感動がこみ上げてきたのだった。
しかも、私もそのエリアを、執拗に何枚も描いたのだが、
先生も数十年にわたって、同じ場所を本当に何枚も、何枚も描かれていて、
いかにそのエリアが、先生を引きつけた魅力があったかということが窺わせる。

私が経済力があれば全て買い取りたいと思いながら、先生の希望で
一部を譲り受けて、処分からわずかながら救うことができた。
先生は、

「どこかの廃校とかに全部展示して、欲しい人があれば持って行ってもらっていいのだけどね。」

と寂しく笑っておられた。

しかし私はうなずけなかった。
タダだからもらう、持って帰る、というような方に持って帰ってほしくはないと強く感じたから。

先生の生涯をかけた研鑽の努力、絵に費やした遠くなるような時間、
風格と気品に満ちた素晴らしいタッチ、高貴で気高い画風。

それが理解できない方には触ってすらほしくないという強い気持ちも湧き上がってくる。
どこか正当な方法で展示でき、もし売却となっても、それ相応の価格でなければならず、
その利益は、先生を顕彰し、作品を保全、管理するために使われねばならないと思う。

私が譲り受けた作品は決して売却はしないが、もししかるべき方に譲る場合は、
上記の目的以外には決して譲らないと宣言します。
本当に、どうすればいいのか、途方にくれています。

この駄文を最後まで読んでくれて、少しでも何か感じ取り、
もし何かアイデアがある方は是非ご一報ください。

※画像はその「私にとっての」奇跡の1枚。
蒲生町川東地区、私と全く同じところを描いた作品。
先生は

「実はこの作品が、一番気に入ってるんだ。」

とおっしゃられて、またさらに感動させられた。

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# by sketchfarm | 2021-11-17 16:41 | NEWS! | Comments(0)