気品があるという事

日本を代表する洋画家として小磯良平がいる。

この人も、約100年前、1903年に神戸に生まれ、芸大を主席で卒業、フランスへ留学という
エリート中のエリート画家。
(しかし100年前の人たちってなんでこんなすごい人ばかりなのか?)

小磯先生は1941年の「斉唱」など
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群像絵画や女性像が有名ですが、

僕はなんといっても、この人のデッサンやペン画、植物スケッチが大好きです。
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うますぎですね。

この教会のスピードスケッチの線といったら!
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なんという早さ。

植物スケッチもたくさん描いておられますが、
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ペンを使ったイラスト(挿絵)や版画なども
とても魅力的です。
これは聖書の逸話を題材として描いたもの。
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このバレリーナの絵もいいですね。
特に人物の顔の表情の気高さ。
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小磯先生の作品を通じて放たれるのは、気高さ、気品といった
アカデミックな香りというべきか。
線1本だけからも、品があり、プライド、理想など精神の高みが感じられてならない。

昔はこの小磯先生のデッサンや絵画をみたとき、
「もうこんなうまい人がいるのだから、(写実的な)絵はもうだれも描く必要がないのでは
ないのだろうか?」
と思ったものでした。

しかし、今はすこし違う。

とうてい足下もおよばないかもしれないが、
その精神の高みへほんの少しでも近づきたい。
ただそれだけだ。

人の絵をどうこういう前に描けって?
はい、そうですね(笑)
by sketchfarm | 2010-09-20 10:12 | ひとりごと | Comments(2)
Commented by rita at 2010-09-30 09:19 x
スケッチ素敵ですね。
見惚れちゃいました☆

個展もこっそり出向きます
楽しみ☆
Commented by sketchfarm at 2010-10-17 09:49
ritaさん、小磯先生は本当に素晴らしいです。
こっそりとはいわず、堂々と出向いてください(笑
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