日本を代表する洋画家として小磯良平がいる。
この人も、約100年前、1903年に神戸に生まれ、芸大を主席で卒業、フランスへ留学という
エリート中のエリート画家。
(しかし100年前の人たちってなんでこんなすごい人ばかりなのか?)
小磯先生は1941年の「斉唱」など
群像絵画や女性像が有名ですが、
僕はなんといっても、この人のデッサンやペン画、植物スケッチが大好きです。
うますぎですね。
この教会のスピードスケッチの線といったら!
なんという早さ。
植物スケッチもたくさん描いておられますが、
ペンを使ったイラスト(挿絵)や版画なども
とても魅力的です。
これは聖書の逸話を題材として描いたもの。
このバレリーナの絵もいいですね。
特に人物の顔の表情の気高さ。
小磯先生の作品を通じて放たれるのは、気高さ、気品といった
アカデミックな香りというべきか。
線1本だけからも、品があり、プライド、理想など精神の高みが感じられてならない。
昔はこの小磯先生のデッサンや絵画をみたとき、
「もうこんなうまい人がいるのだから、(写実的な)絵はもうだれも描く必要がないのでは
ないのだろうか?」
と思ったものでした。
しかし、今はすこし違う。
とうてい足下もおよばないかもしれないが、
その精神の高みへほんの少しでも近づきたい。
ただそれだけだ。
人の絵をどうこういう前に描けって?
はい、そうですね(笑)